なかの歯科が教える矯正知識

矯正治療前に知っておくと役立つ知識を、歯科医師で矯正経験者の「中野浩輔」が教えます。無料相談サービスもご利用ください。

矯正治療に役立つ知識

矯正治療を検討する時や歯科医院を探す時に役立つ知識をご紹介します。

矯正治療のデメリットを知っておく!

私は学生時代に歯列矯正した時、一般的な矯正はそれほど痛くないと聞いていましたが嘘だと実感しました。
例えば、ワイヤーが唇に食い込んで眠れなかったり、矯正装置を調整した後は痛くて食事などつらい日々を過ごしました。
実際、矯正装置の種類や治療法、お口の状態によっては痛みの少ないケースもありますが、あくまでも人それぞれだと言うことを理解しておいてください。

あと、一般的な矯正治療では装置がやっと外れたと思った後に、歯を保定する為のリテーナーを付けることになります。その時「そんな話は聞いてない!」は通用しません。 また、歯科医院によっては健康な歯を抜いてしまうところもあります。もちろん良い歯並びにするために必要なケースもありますが…。
どんな歯科治療にもメリットとデメリットがあるので、矯正のメリットだけを強調し、デメリットを話さない歯科医院には注意してください。

矯正専門医に治療してもらう!

矯正治療を受ける歯科医院を選ぶ時に、選択肢となる医療施設は「矯正専門歯科医院、矯正治療が受けられる総合歯科医院、大学病院の矯正科」などがあります。
この時、選択するうえで重要なポイントは、どの施設であっても必ず矯正専門医の先生に治療してもらうことです。

もちろん、一般歯科の先生であっても努力されて素晴らしい矯正治療ができる方もいますが、私が知ってる限りでは少数です。矯正治療は複雑で難しい治療ですから、経験が少ない一般歯科医師の治療はリスクが高いことを理解しておきましょう。

信頼できる歯科医院や先生を見つける!

矯正治療したい歯科医院が見つかったら、カウンセリング時に院内を観察してください。評判のよい医院は、たいてい患者さまで賑わっていますし活気があります。
また、カウンセリングなどで先生に違和感を感じた時は、別の医院にセカンドオピニオンをお願いしましょう。

矯正歯科治療は長期かつ高額なので「大切な歯を任せたい!」と思える、信頼できる歯科医院や先生を見つけてください。

適正価格を知っておく!

矯正治療は、自由診療のため歯科医院によって価格が異なります。基本的には土地代の関係から都市圏ほど高くなる傾向にあります。 私目線ですが「成人の唇側矯正で100万円~、成人の舌側矯正で150万円~」は高いと感じます。

価格の目安は「国立大学の矯正科の治療費」が参考になります。各大学のホームページを検索したり、問い合わせれば料金が分かるので参考にしてください。

また、行きたい歯科医院の価格が平均よりも大きく差がある時は、率直に理由を聞いてみましょう。
医院の中には矯正治療自体の価格は安いのに、治療終了までの全体費用で見ると高くなるところもあるので注意してください。

矯正の料金システムを知っておく!

矯正治療の料金システムはたいてい下記のどちらかが採用されているので参考にしてください。
医院によっては特殊な料金システムを採用しているところもあります。

  • [ 検査料金 ]+[ 基本料金(装置料と呼ぶことも)]+[ 処置料金×通院回数 ]=【 総額 】

基本料金は症状や年齢により違ってくる場合があります。また、基本料金が同じでも通院回数で総額が異なってきます。
例) 検査料金 5万円 + 基本料金 70万円 + 9万円(処置料金 3千円×4年間で30回の通院) = 総額 84万円

  • [ 検査料金 ]+[ 治療料金 ]=【 総額 】

この料金システムの場合、ほとんどの医院が上記の料金システムの基本料金よりも治療料金を高く設定しています。その代わり通院回数に関係なく総額が決定されます。
例) 検査料金 3万円 + 治療料金 90万円 = 総額 93万円

顎関節症の症状に注意!

最近は若い女性を中心に、顎の痛みや運動障害を引き起こす顎関節症の方が増えています。中には、予兆のあった方が矯正治療をきっかけに症状が現れるケースもあります。

その為「アゴを動かすとカクカク音がする、真っ直ぐ開かない、痛みがある」方は、矯正治療前に必ず治しておきましょう。
額関節症は自然に治る可能性が高いので極度に心配する必要はありませんが、症状や予兆がある場合は矯正前に担当医へ必ず伝えてください。

様々な矯正治療法を知っておく!

最近は、矯正治療していることを人に知られたくない患者さまが増えており、透明のマウスピースを装着する方法や歯の裏側に装置を付ける方法が人気です。
ただし、どの治療法にもメリットとデメリットがあるので、専門医からアドバイスを受けたり、自分で学んだりしてください。
少数ですが若い患者さまの中には目立つ矯正治療を好む方もいます。例えば、セラミックの矯正装置にカラフルな色つきのゴムを使う方法などが挙げられます。
「矯正もファッションの一部」「矯正できることはステータス(社会的地位)で恥ずかしいことではない」など、考え方も人によって様々です。

美容歯科や美容外科の矯正を知っておく!

女性誌には多くの美容に関する広告が掲載されており、その中には矯正についての広告もあります。
ですが、その多くは「たった2週間で矯正できる!」「わずか3回で矯正できる!」など短期間治療を前面に押し出しています。

通常の矯正治療のデメリットのひとつが治療期間の長さですから、本当の矯正治療を短期間でできるなら画期的なことです。 その為、歯科医師同士でも「この様な治療はどんな手法(ごまかし)を使っているのか?」と話題になることがあります。では、主な手法についてご紹介します。

  • 健康な歯であっても、矯正の邪魔になる歯は抜いてしまう。

  • 歯並びの悪い原因になっている歯や、まわりの歯を削り、差し歯にしてしまう。
    差し歯と呼ぶと聞こえが悪いので「スーパー○○○」や「ウルトラ○○○」など、聞こえの良い名称を使うケースもあります。
  • 治療期間がかかる割に、目立たない奥歯の矯正をしない

美容歯科や美容外科の多くがこのような治療法を「歯列矯正」と呼び、本来の矯正治療は「ワイヤー矯正」と呼ぶなど区別化しています。 その為、一般的な歯科医院と美容歯科では、歯列矯正の意味合いが違うケースもあることを理解しておきましょう。
ちなみに某大手美容外科の歯科治療一覧では下記のように掲載されていました。

治療内容 時間・期間 通院回数 料金
歯列矯正 2時間 3~5回 15万円より
ワイヤー矯正 2~3年 24~36回 80~120万円
顎の手術 3時間(要入院) 10回 95~150万円

この美容外科は大手と言うこともあり、通常の歯列矯正をするには2~3年かかることは明記されていました。
ただし、美容外科における顎の手術は疑問が残るのでしっかり検討したほうが良いでしょう。通常の外科矯正は通院回数が10回で済むことはありませんし、治療費は健康保険が適用されます。

とは言え、短期間で治療したい方にとっては、この様な治療法も選択肢のひとつになるのは理解できます。ただし、治療期間や費用だけでなく、安全性や将来へのリスクなども考えてから決定されることをお薦めします。

引越しリスクを知っておく!

矯正は基本的に長期治療になります。その為、矯正治療中に引越しをする場合、転居先の専門医を紹介してもらったり、料金清算や今後の治療説明をしてもらったりとお互いに手間がかかります。
その為、引越しが決まったら、すぐに歯科医院へ連絡してください。
医院の中には全額前払いで、転院による返金をしてもらえないところもあります。引越しの可能性が少しでもある方は、後悔しないよう契約内容をしっかり確認しておきましょう。

美しさに役立つ知識

矯正歯科治療で歯並びをよくすることは、身体への良い影響を期待できるだけでなく、印象をよくする見た目への向上にもつながります。ここからは、口もとの美しさに関する知識についてご紹介します。

口もとで見た目の印象も変わる!

「あなたは人の顔を見る時に、どこを見ますか?」
多くの方は無意識だと相手の目のあたりを見るそうです。通常、顔の印象は輪郭や目鼻立ちが大切ですが、マイナスの印象を与えない為には、口もとに際立った特徴のないことが大切になります。実際、歯並びや噛み合わせは顔の下半分の表情に強く影響を及ぼします。

一度、鏡で顔の下半分を少し横側からチェックしてください。もしかして、お口を開けた時に目立つ歯や噛み合わせ、不自然な口もとではありませんか?この様な特徴は相手に違和感を与えることが多く、印象が悪くなる原因になります。
その為、矯正治療では歯並びや噛み合わせの改善だけでなく、見た目から違和感をでないよう自然な口もとにすることも考慮されます。

エステティックライン(Eライン)!

顔を真横から見た時に、鼻先と下顎の頂点を結んだ線をEラインと呼びます。定規などを使ってチェックしてみてください。

Eラインは口もとの膨らみぐあいが、顔に対して調和が取れているかどうかの基準に用いられます。日本人で歯並びが良い方は、下唇の先端がこのライン上か、やや外側に位置するのが平均的です。顔美人の基準は口もとがライン上に触れる程度か少し内側にあるのが理想とされています。
美に対しての感覚は国や人種、個人差があるので一概には言えませんが判断基準として知っておくと良いでしょう。

見た目の心理的影響!

心理分析が発達しているアメリカでは美しくないことが日常生活で、どのような不利益をもたらすかについて多くの研究がされています。例えば、歯や口に関する報告では下記のようなものがあります。

    • 綺麗な歯並びや優しい微笑みはあらゆる社会的階層においてプラスイメージであり、乱杭歯や出っ歯はマイナスイメージになりやすい。
    • 学校において、見た目は教師が生徒に抱く期待感と学習の進展度合いに影響を与える。
    • 歯並びの良い顔は、悪い顔にくらべると魅力的で知的な印象を与える。
    • 魅力的な人に比べると、魅力的でない人は助けられることやコミュニケーションを受けることが少ない。
    • 魅力的でない人は、好ましい結果に対する名誉を与えられることが少なく、否定的な結果に対する責任を負わされることが多くなりやすい。
    • いじめにつながる見た目の要因のうち、歯並びは身長、体重、頭髪に次いで4番目である。
    • 歯並びがそれほど酷くない場合のほうが大きなコンプレックスになることが多い。この原因は、自分の口もとを見られた時の相手の反応が一定ではないからである。

全てを見た目で判断してはいけませんが、実際には多くの状況で見た目で判断されてしまう現実があります。特にアメリカではその傾向が強いと言えます。

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